プライマリーケア
7. 日本にとっての意味合い
イングランドのプライマリケアの例から、日本の医療に関して幾つかの意味合いが汲み取れる。
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GP機能を通じた医療費抑制は日本においても有効ではないか。
一人の患者が同じ症状で複数GPにて診療を受けることを防ぐ、軽度のニーズでより高度な医療機関へアクセスすることを避ける、という意味でイギリスのGP制度は効果を挙げている。 -
GPのスキルの底上げを図る仕組みが必要ではないか。
イギリスでもGPのスキルやマネジメントが問題となっており、GPのスキルの底上げをはかるため複数のGPを組織化しGP事務所(Practice)をつくる、PCTとGPが医療サービスの質まで含めた契約をする、などのアプローチがとられている。 -
地方における保健、医療政策立案の主体をどこに求めるか。また、保険者、医療機関との連携をどのように担保し、政策の実現をはかるか。
イギリスでは、PCTに医療サービス体制の設計やケア標準の設定の権限が与えられている。また、PCTは、医療機関に対してサービス依頼契約を締結する権限を持ち、この権限を活用しながら医療機関に対して影響力を行使している。