費用対効果向上への取り組み
4. 医療機関の効率化
病院の経営に関しては、Payment by results(出来高払い)という施策を通じて、その効率化を図っている。まず、保健省が全国の病院のコストをRelative Cost Index(RCI)という指標を使って、診療行為別に分析する。NHSの保険者が医療機関に対して支払う診療価格(Tariffと呼ばれる)は、このRCI値の全国平均を基準に決定される。結果として、平均よりコストの高い病院は、赤字になるリスクが非常に高くなるため、全国の病院は必死でコスト削減、業務の効率化に取り組んでいる。
今後、保険者の機能が高まるにつれて、保険者が複数の医療機関を競争させ、公定の診療価格より更に安い価格で契約を結ぶことが予測されるため、病院間のコスト競争は益々高まる方向に進んでいる。
より、ミクロの取組みとしては、全国の医療機関で診療科別のコスト分析を行い病院間のコスト構造を比較する取り組みが行なわれている。添付2は、診療科別のコスト分析の例。
添付2
GPに対しては、その経営の効率化を図ることより、投薬や病院への紹介の削減など医療需要の抑制に対して大きな役割が与えられている。